永代供養(えいたいくよう)とは? 墓じまいのための費用や相場も解説
「永代供養」は、日本の文化や宗教に根ざした慣習で、故人を尊重し、その魂を永遠に供養し続けることを目的とします。この概要では、永代供養の基本的な要点を説明します。
永代供養(えいたいくよう)とは?
永代供養は、故人のご遺族や子孫に代わり、霊園や寺院などがご遺骨を永遠に管理し、供養する概念です。永代供養では、ご遺骨とそれに関連する供養をすべて関係機関に委ねることになります。
“納骨しないままお骨を自宅に持っている”
“お墓を継ぐ人がいない”
“お墓のことで子供や孫に負担をかけたくない”
このような方が主に利用をされております。
「永代」とは期限を設けず、いつまでも続けることを指し、「供養」とは弔いをすることを示します。永代供養は、お墓を子供や家族に継承させることを前提としておらず、身寄りのない方や後継ぎのいない方のための供養手段として広く利用されてきました。また、お墓の建設費用を捻出できない家庭にとっても、一つの選択肢となっています。
しかし、最近では、「子供にお墓の維持を負担させたくない」「お金を遺して、お墓にかかる経済的な負担を軽減したい」といった考えから、自ら永代供養を選ぶ方々が増えています。
永代供養は、日本の文化と宗教が結びついた重要な概念であり、故人への尊敬と魂の安らぎを求める大切な実践です。
永代使用との違い
「永代供養」と「永代使用」は、言葉の響きは近いですが、意味は全く違います。
永代使用とは、お墓の土地をずっと使う権利のことを指し、墓石を設置する際には、この権利のための永代使用料が必要となります。
一般的なお墓では、永代使用料を一度支払うと、それ以降は何代もの家族がそのお墓を引き継ぐことが許されます。
永代供養墓の相場
永代供養墓の費用は、概ね10万~150万円が標準とされています。
これは一般的なお墓に比べると、経済的といえます。
この費用の構成は、
- 永代供養料
- 納骨の法要費
- 文字彫りの料金
となっています。
一部の場合、この費用が上記の範囲を超えることもありますが、平均的には50万円ほどの予算を見込んでおけば良いでしょう。
なぜ永代供養墓の費用が低いのか?
前述したように、永代供養墓は通常のお墓よりも費用が抑えられる理由があります。
その理由は、お墓の形式が異なることに起因します。 一般的なお墓では、各家族が独自の墓地と墓石を設ける必要がありますが、永代供養墓は、一つの大規模な墓を作成し、その中のセクションを各家族が使用します。 最初から複数の方の遺骨を共同で埋葬する方法や、一定期間後に他の方の遺骨と一緒に埋葬する方法、または永久に個別のエリアに遺骨を埋葬する方法などがあります。
従って、永代供養墓は、専用の土地の確保や新しい墓石の設置が不要で、これが費用をお得にする要因となっています。
永代供養にお布施は必要なのか?
永代供養の際にもお布施が求められることがあります。
ちなみにお布施は、お経を読んで頂いた際の感謝の気持ちを示すものです。
「納骨法要」と「年忌法要」のタイミングで、お経を奉納することが期待されます。従ってこの2つの法要の際にお布施を準備することが多いです。
ただ、違うパターンとしては永代供養のコストに「納骨法要」のお布施が含まれている場合も考えられます。そのため永代供養の料金内容については、しっかりと事前に確認しておくと良いでしょう。
永代供養のメリットとデメリット
全ての事柄には良い点と悪い点がありますが、永代供養も例外ではありません。
それらの利点と欠点を契約前にきちんと把握することは、非常に大切です。
メリット
主なメリットとしましてはこのようなものがあります。
- 霊園や寺院が遺骨の管理や供養を全て担当
- 墓守の不在でも問題なし
- 墓を設置するよりコスト効率が良い
- 年次の維持費が掛からない
- 以前の教義や宗派に制約がない
- アクセスが便利
- 生前からの購入が可能
デメリット
永代供養にご契約後に知らなかったとなってしまわないように、永代供養のネガティブな面についても確認しておくのが良いかと思います。
- 親族からの同意が得られにくいことがある
- 永代供養墓の拡張はできない
- 合祀の場合、遺骨の取り出しは困難
- 特定の希望の場所には納骨が難しい
永代供養墓の失敗しない選び方とは?
「永代供養墓を選定するとき、特に注意すべきポイントは何でしょうか。」
失敗のリスクを避けるためのお墓選びですので、大切な要点は確認しておくべきです。
以下に示す項目はすべて大事なポイントとなります。トラブルを避けるため、しっかりと確認し、家族の了解も得て進めていくのがベストです。
立地
永代供養墓を選定するとき、自宅からのアクセス性は考慮すべきポイントです。
先祖を偲ぶため、頻繁にお墓参りをしたいと思うことでしょう。
その際、自宅からのアクセスが良い場所を選ぶと、訪れやすくなります。
費用・維持費
永代供養墓の申し込み時には、費用を支払うことになりますが、その中に何が含まれているかは確認しておくのが良いです。一般的に、永代供養墓の料金には必要なもの全てが含まれていると思われがちです。とはいえ、管理費やお布施など、追加で必要な費用が発生することもあるので、契約する前に詳細を確かめることが良いかと思います。
また、永代供養墓の申し込みの際、誰がその墓を使えるのか、その「単位」にも注意が必要です。
この「単位」とは、使用できる人数が1人限りか、夫婦での利用か、それとも家族全員が利用できるのかを指します。
単に料金だけで選んでしまうと、思ったより少ない人数しか利用できない場合があるので、その点も慎重に検討することが求められます。
納骨のスペース
通常、お墓は代々引き継ぐものとされています。
年月が経つにつれて、新たな遺骨を収めることも必要となるでしょう。この点を考慮すると、納骨の場所はなるべく広いスペースを持つことが望ましいです。
また、そのスペースの形状や使い心地、納骨の手順などもチェックしておくべきです。そして、納骨された方の名前を刻む墓誌に関しても、個別のものと集合的なものが存在するので、その選択も前もって調査しておきましょう。
まとめ
最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。
今回こちらの記事では
・永代供養(えいたいくよう)とは?
・永代使用との違い
・永代供養墓の相場
・永代供養にお布施は必要なのか?
・永代供養のメリットとデメリット
・永代供養墓の失敗しない選び方とは?
など様々な角度でご説明させて頂きました。
参考になっていただけると幸いです。
当お寺では永代供養を承っておりますので、もしお考え・ご検討の方はお気軽にお問い合わせくださいませ。
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